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「マイナスからの出発」

桃の収穫

最後の3年間

「会社辞めて農家になっていい?」という私に、妻の答えは「いいよ」でした。結婚してまだ2ヶ月。安定していた会社員から自営業、いわゆる脱サラをして、それも新規就農するのです。これから3年間はサラリーマンを続けながら貯金、リサーチ、準備にかけ、勤続10年で転職する計画をたて、妻にプレゼンし、快諾という大きな力をもらいました。

もともと農作業が好き、大きな車に乗るのも好き(→トラクターにユンボ!)、何よりも未来に残したい職業としての「農家」という将来像は、私にとって明るいものでした。

サラリーマン生活を送りながら、就農に向けての準備が始まりました。岡山では米から野菜、果実まで幅広い農業が盛んに行われています。親戚に桃農家がいたことをきっかけに、最終的には桃にターゲットを絞り、研修制度などのリサーチを進めました。一方、会社では、担当部門のリーダーに抜擢され15名ほどの部下を抱えました。辞めてゆくからこそ「力を入れてチームをまとめ、次へ引き継ごう」、リーダーとして「私自身が光を失わないように」と考え、著名な創業者の本を多く読みました。この時期に出会った創業者たちの言葉や考えは、独立した今も、様々なインスピレーションを与えてくれています。

いよいよ桃農家に

迎えた3年後。10年間お世話になった三井造船を退社。2ヶ月後、長女誕生。さらに2ヶ月後、岡山県倉敷市玉島に移住、新規就農(まだ研修生)しました。岡山県の農業研修制度(岡山県担い手育成総合支援協議会)を利用し、いよいよ桃農家としてスタートです。

長女誕生

まずぶつかった最初の大きな壁が農地の確保です。岡山での新規就農者は、高齢化により手放された農地をそのまま譲り受けられればラッキーな方で、就農地をなかなか見つけられずに苦労することも多いそうです。同期の研修生たちが農地探しで苦労する中、桃研修の先生が偶然玉島に農地を持っており、その隣の元桃園だという山(耕作放棄地)を借りられることになりました。耕作放棄地であっても先生の隣の農地なら教えも請えるし、知り合いのいないこの地でこれ以上の農地はない、と即決しました。

地縁、血縁などがない移住者の私にとって、家の近くで借りられたことは本当に幸運でした。

土と汗にまみれて

しかし10年以上も放棄された土地。これを桃園にするところから始めなくてはなりません。腕ほどの木が生い茂る急斜面を前に、正直なところ萎えそうな気持ちを奮い立たせたことを思い出します。

元桃園だという山(耕作放棄地)
元々桃園だったことが想像もできない原野の状態

先生がユンボで切り開くのを手伝ってくれました。私はユンボが通れる程度にチェーンソーで木を倒しながら山を開墾していきました。前には木、木、木、後ろには轟音を轟かせながら迫ってくるユンボ。その間で、土まみれ、汗まみれになりながら、桃農家への道のりをスタートさせました。ゼロからのスタート、というより「マイナスからのスタート」でした。

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