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- 桃農家を目指してstory.6
story桃農家をめざして。その先に
結婚早々、10年間勤めた会社を辞め、知り合いのいない地で新規就農。
ユンボで山を切り開き、植えた桃は枯れ、イノシシに倒される。
人と地域を結ぶ桃園を目指して奮闘する杉原造桃園のこれまでとこれからのはなし。
「また? 荒れた山と向き合う日々」
気候変動の切り札 「カーボンニュートラル」
できるだけの脱石油・脱プラ生活を始めてから、様々な情報や温暖化対策を調べていくうちに、いわば、おまけでついてきたこの山林がもしやカーボンニュートラルの鍵になるのではないかと気づきました。
つまり、「生活や農作業で出るCO2の排出量=山林が吸うCO2」にできるのではないか、ということです。
早速調べてみると…杉原造桃園では、政府が目標としている2050年カーボンニュートラルを、この山林だけで、数字上達成していました!!
しかし、山の現実の様子はただの荒れた山なのです。山はひとが手を入れることによって、何倍もの力を引き出すことができます。現状に甘えることなく、更なる環境対策として、山の手入れと管理を行い、山林の持つ力を最大限活かせられれば、地域全体のCO2の吸収を増やすことができます。俄然、力が湧いてきました!
背丈の2倍もある雑草を刈るところから
しかし、右も左も分からない山林管理。早速、専門家に話を聞きに行ったり本で調べたりしながら動き出しました!
何年も手を入れていない荒れた山は、CO2の吸収量が3〜4割減り、病害虫の被害で大規模に枯れ込むこともあるそうです。
5年前、桃園を作る際に散々やった「山を切りひらく」(story2 参照) を思い出しながら、まずは自分の背の2倍はある「雑草」を刈り、侵入路を作るところから始めました。
どうにか足の踏み場ができても、次は樹齢の高い雑木が所狭しと林立しています。 教えていただいた伐採の方法を思い出しながら、チェーンソーで次々と雑木を倒していきます。雑木といっても直径30cmほどもある木ばかり。周囲の安全を確認しながら切込を入れ、切り倒すと、大きな地響きを立てながら倒れていきます。
雑草を刈り、倒木を片付け、雑木を倒し、大木の下枝を打ち払う…昨冬、進んだのはまだ山の1/50ほどでしょうか。
この作業を繰り返し、風通しの良い山へと変えていければ、CO2をより多く吸収し、見た目も美しい風景の一端を作ることになるそうですが、前途はまだまだながし、です。
二足の草鞋を履いて
桃園の仕事がひと息つく冬に行った必死の山仕事。この冬には、木々が生い茂る降り出しに戻っているかもしれませんが、またコツコツと山を美しくしていきたいと思っています。
普段の生活や農作業におけるCO2の削減に加え、循環型農業と山林管理の実践。これが地域に広がれば、環境に対してはもちろん、地域全体の桃の品質向上やブランド力、雇用促進にもつなげられないだろうか…。夢に一歩ずつ近づくためにやるしかありません。環境に配慮した未来型桃園としてこれからも力強く進んでいきたいと思っています。
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